「はぁ、はぁ……」
「大丈夫か?」
デジャヴを覚えつつ訊くと、枯葉の絨毯の上に座り込んだイリアスは蚊の鳴くような声で答えた。
「あ、ああ」
掠れたその声を聞いて苦笑する。完全に絶叫のしすぎだ。
こちらも思いっきりしがみつかれていたお陰でさすがに腕と肩が重い。
「ごめんな、腕痛いよな」
「え? ああ、いや」
肩を揉んでいるところを見られてしまったらしい。
申し訳なさそうに言われ私はその腕をぐるぐる回しながら笑った。
「こんなのすぐ治るし、気にするなって」
「……団長は平気なんだよな」
「え?」
俯きながらイリアスが続ける。
「ラディス団長、この間全然怖がってなかったし」
「ああ、ラディスは前から何度か一緒に飛んでるからな。でもあいつも最初はビビってたし」
(すぐに慣れたけど)
心の中でそう付け足し言うと、イリアスは再び頭を垂れた。
「そっか……あ〜俺カッコ悪ィなぁ〜」
「誰だって苦手のひとつやふたつあるって。それに、空を飛ぶなんて普通はないんだから怖いのは当たり前だろ。だからそんなに気にするなって」
「……」
「それに、一緒に行くって言ってくれたときのお前はカッコ良かったぞ!」



