「おわーー! しぬうううーーーー!!」
(うるっさ……)
至近距離で絶叫され、そろそろ耳が限界に来ていた。
あれからマントを羽織り、イリアスと共に窓から飛び立った私たち。
イリアスはそれでも最初は我慢していたのだろう、しばらくは無言でただ私の手を強く握りしめていたが、城から離れ都上空に差し掛かったあたりで限界に来たらしかった。
急に腕に巻き付くようにしがみつかれ、あの時のような絶叫が始まった。
「ひぃーー高い高い高いっ! やっぱムリかもーーー!!」
当然ながら目的地であるバラノス城まではまだ大分距離がある。
空を飛んで行ってもおそらくあと一時間はかかるだろう。
(その間ずっとこれか~)
耳を塞ぎたくても腕を掴まれているせいで出来ず、私にとっても結構な拷問だった。
「イリアス〜、足元を見るからいけないんだろ? 上見てろよ上」
「う、上?」
情けない涙目がこちらを見上げ、思わず吹き出しそうになってしまった。
「いや、私じゃなくて、景色を見てろって。ほら綺麗だろ?」
「き、綺麗だけど、だけど、やっぱり怖ぇよ〜〜!」
そして更に強く腕にしがみつかれてしまい、ふぅと溜息を吐く。



