視線を逸らし答える。
「んなわけないだろ」
「嘘下手かよ! あっぶねー、団長が城から出すなって言ってたのはそういうことか」
私はそんなイリアスに低い声で言う。
「……離せ」
しかしイリアスは首を横に振った。
「絶対に行かせねーぞ」
「離せって!」
「だから、そんなに心配しなくても大丈夫だって。絶対にみんな無事で戻ってくるから」
「違う!」
思わず大きな声が出てしまっていた。
「オレが心配してんのはバラノスの人たちだ!」
「は?」
イリアスが呆けたような声を上げた。
「騎士たちが呪いをかけられて混乱してるってのに戦まで仕掛けられて、そんなの酷すぎるだろ!」
「酷すぎるって、お前な」
「イリアスだって言ってただろ? 丸腰の相手に剣を向けた時点で騎士以下だって!」
「そ、それは……」
――そうだ。
ラディスだって、そんな卑怯な真似はしたくないと言っていたはずなのに。
王様から何と言われたか知らないけれど、騎士だから王様には逆らえないのかもしれないけれど。
「それに、バラノスの騎士たちが呪いをかけられたのは、オレの……私のせいだ」
「!」
イリアスがその猫のような目を大きくした。
きっと今私は酷い顔をしているのだろう。
それを自覚して、顔を伏せる。
「私が姿を隠してたから、こんなことに」
「そ、それは違うだろ! あの村の奴らが勝手にやったことだ。お前のせいじゃない」
「それでも! やっぱりこのまま見過ごすなんて私には出来ない!」



