男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される


 続けて訊く。

「先に出発したキアノス副長たちは今どの辺だろう」
「さぁ……俺は今回の作戦とか何も聞いてないからなぁ。まあ、でも順調に行って国境の街を落としたくらいじゃないか?」

 国境の街。
 バラノスとの戦の最初の難関で、過去に何度もそこが戦場となっていると聞く。

「そこからバラノスの王城まで何日かかる?」
「順調に進軍して……10日ってとこか? 他にも要塞はいくつかあるし」
「そっか。ありがと」

 お礼を言って、私は柔らくなりすぎたパンをスプーンですくって口に入れた。
 そのままスープを一気にかっ込んでからトレーを持って立ち上がる。

「トーラ?」
「みんな頑張ってんだ。オレたちもしっかり頑張らないとな!」

 笑顔で言うと、イリアスは少し戸惑ったような顔で頷いた。

「あ、ああ。そうだな」

 そして私たちは食器を片づけ、食堂を後にした。