私が俯いている間も、フヌーディの辛辣な言葉は続いていた。
「そりゃあ良かった。聖女様が人殺しなんて笑い話にもならねーよ」
「フヌーディ!」
「でも、そこで眠ってる冷徹騎士団長はきっとこれまでに何百って人を殺してる。だから団長になれたわけだろ? それで英雄扱いされてよ、ばっかじゃねーの。……騎士なんて、人の皮を被った悪魔みたいな奴らばっかりだ」
「フヌーディ、いい加減にして!」
「……違う」
思わず、小さく声が漏れていた。
「あ?」
(違う)
彼は……ラディスは、冷徹なんて言われているけれど、実際には仲間思いの優しい人だと私は知っている。
例え、これまで多くの人を傷つけていたとしても、悪魔なんて言われるようなやり方をする人ではないと信じている。
……私は、もしかしたら騎士になる資格がないのかもしれない。
彼と同じ場所には立てないかもしれない。
でも。
それでも……。



