男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される


「――で、これからどうすんだよ」

 そう苛ついた声を出したのは、先ほどと同じ椅子に座ったフヌーディだ。
 瞬間私が言われたのかとドキリとしたが、その視線はフェリーツィアの方に向いていた。

「どうするって言われても……」

 フェリーツィアが困ったように答えると、フヌーディは顎で私の後ろの扉を指した。

「さっきのあいつ、あの冷徹だって有名なレヴァンタの騎士団長だろ? やっぱあそこで殺しちまえば良かったんじゃね?」

 そんな不穏な言葉にぎくりとする。
 そうだ、彼もまた騎士に恨みを持っているひとりだった。

「でも、彼は……」

 フェリーツィアがチラリとこちらを見る。

 ……彼女はラディスと私の関係に気づいているのだろう。

 そしてフヌーディもこちらに視線を向けた。

「あんたもよくわからねーなぁ、聖女様」
「フヌーディ!」

 フェリーツィアが諫めるように声を上げるが、構わず彼は続けた。