思わず後方を振り向いていた。友人の姿は見えなかったが、そのまま続ける。
「どんだけオレのこと馬鹿にしてんだよ」
あとで話す機会が出来たら絶対文句言ってやると思っていると。
「あいつ、もしかしたら……」
「え?」
ラディスのそんな呟きが聞こえて目線を上げる。しかし。
「……いや、なんでもない」
そう言ってラディスは前方を見据えたまま口を噤んだ。
「?」
「……日が暮れる前に街に入りたい。少し速度を上げるぞ」
「えっ」
言うなりイェラーキがぐんとスピードを上げて、私は慌てて前を向いて姿勢を正した。
「今夜はここに宿を取る」
目的の街に着いたのは空が綺麗な夕焼け色に染まる頃だった。
(やっぱり、お尻痛い……)
この間ほどではなかったが、長時間乗っていたせいでイェラーキから降りてもまだ尻がビリビリと痺れていた。
でもお陰でこうして日が暮れる前に街に着き野宿は免れたのだから文句は言えない。



