イェラーキはやはり速かった。
しかしこの間ほどではない。後について来ている仲間がいるからだろう。
お蔭でお尻の痛みも今のところ平気そうだった。
「イリアスの奴、さっきなんて言ったんだ?」
気持ちに少し余裕が出来て、背後にいるラディスに小さく訊いてみる。
ラディスがこちらに視線を向けた。
「さっき、食堂で話してただろ。イリアスと」
「……ああ」
「お前、最初ダメだって言ってたのに急にOKするし、あいつ一体何を言ったんだと思ってさ」
「お前を守りたいと」
「それは聞こえてた。その後」
ラディスは少しの間を置いて、前方を見つめながら答えた。
「……お前に恩を返したいと。命にかえても」
「は?」
「お前の盾になりたいそうだ」
「はあ!?」
それを聞いて驚くと同時にまた怒りを覚えた。
「盾って、何言ってんだあいつ!」



