男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される


 そして、私たち魔女捜索隊はその日のうちに城を出発することになった。
 メンバーはラディス団長を筆頭に、イリアスと他3名の騎士、そして私の総勢6名だ。
 私はやはりラディスの愛馬イェラーキに乗せてもらえることになった。

「団長の馬は気性が荒いから気をつけろよ」
「あ、ああ」
 
 厩舎の前でイリアスにそう小声で言われ、つい顔が引きつってしまった。
 彼にはきっと私がビビっていると思われたのだろうけど。

(イェラーキに乗るのは一応これで3度目になるんだよな)

「トーラ!」
「はい!」

 呼ばれて私はイェラーキを連れたラディスの傍に駆け寄る。
 何度見てもイェラーキはカッコよくてドキドキした。

「イェラーキ、またよろしくな」

 小声で言って、その円らな瞳を見上げながら首筋を撫でているとラディスが言った。

「飛び乗りは出来るようになったか?」
「あ……えっと、踏み台がないとまだ無理です」