男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される

 だから、私は苦笑しながら続けた。

「お前が、彼女に文句を言ってやりたい気持ちはわかるけどさ」
「トーラ!」
「は、はい!」

 そのとき食堂入り口の方からラディスの声がかかり、私は急いで立ち上がった。

「準備が出来次第、中庭に集合!」
「わかりました!」

 返事をして、私は残りの料理を急ぎ食べてしまおうと椅子に座り直した。

「ラディス団長!」

 イリアスの大きな声がして、さっきまで目の前にいた彼の姿がないことに気付く。
 えっと思って振り向くと彼はラディスの元へと駆けていて。

(まさか……)

「なんだ」
「あの、俺も、一緒に捜索隊に加えていただけないでしょうか」

(やっぱりーー!?)

 案の定そんな声が聞こえてきてハラハラする。
 しかし、ラディスの答えは流石に厳しいものだった。

「捜索隊のメンバーはもう決まった。お前を連れていくことは出来ん」

 それでもイリアスは引かなかった。

「お願いします!」

 ガバっと勢いよく頭を下げ、彼は続けた。

「俺に、トーラを守らせてください!」

(な……っ!?)

 私はあんぐりと口を開けていた。