私は視線を落とし言う。
「実は……イリアスには本当のことを話そうかと思ってたんだ。副長みたいに」
「あいつに?」
「もう、これ以上嘘を吐いていたくなくて」
「ダメだ」
「え?」
即答され顔を上げると、ラディスは怒ったような不機嫌な顔をしていた。
「で、でも、イリアスだってきっと副長みたいに皆には内緒にしてくれると思うし」
「もしあいつに話すというなら、お前の部屋を変える」
「は!?」
それを聞いて、ついカチンと来てしまった。
「そんなの横暴だろ!」
「お前が女だとわかっている奴と同室にするわけにはいかない」
「なんだよそれ!」
納得行かなくて睨みつけると、ラディスはそんな私からふいと視線を逸らした。
「……俺自身が耐えられない」
「え?」
「それでなくともお前とあいつが同室というのが気に喰わないというのに」
「はあ?」
と、ラディスは私と視線を合わせ必死な顔で続けた。
「惚れた女が毎日別の男と同じ部屋で寝ているんだぞ? 普通に腹が立つだろうが!」
(……は?)
思わずぽかんと口が開いてしまった。
(惚れた女が、別の男と……?)
「本当は今すぐにでもお前を一人部屋にしたいくらいだ。これでも相当我慢しているんだからな!」
そこまで言い切ってから、私の驚いた顔を見て我に返ったらしい。
ラディスはバツが悪そうに手で顔を覆った。
「……すまない。ただの醜い嫉妬だ」
その顔が赤く染まっていて、こちらの顔までじわじわと熱くなってくる。
「だから、頼む。あいつにはこれまで通り黙っていて欲しい」
「……わかった」
こくりと頷いていた。
「実は……イリアスには本当のことを話そうかと思ってたんだ。副長みたいに」
「あいつに?」
「もう、これ以上嘘を吐いていたくなくて」
「ダメだ」
「え?」
即答され顔を上げると、ラディスは怒ったような不機嫌な顔をしていた。
「で、でも、イリアスだってきっと副長みたいに皆には内緒にしてくれると思うし」
「もしあいつに話すというなら、お前の部屋を変える」
「は!?」
それを聞いて、ついカチンと来てしまった。
「そんなの横暴だろ!」
「お前が女だとわかっている奴と同室にするわけにはいかない」
「なんだよそれ!」
納得行かなくて睨みつけると、ラディスはそんな私からふいと視線を逸らした。
「……俺自身が耐えられない」
「え?」
「それでなくともお前とあいつが同室というのが気に喰わないというのに」
「はあ?」
と、ラディスは私と視線を合わせ必死な顔で続けた。
「惚れた女が毎日別の男と同じ部屋で寝ているんだぞ? 普通に腹が立つだろうが!」
(……は?)
思わずぽかんと口が開いてしまった。
(惚れた女が、別の男と……?)
「本当は今すぐにでもお前を一人部屋にしたいくらいだ。これでも相当我慢しているんだからな!」
そこまで言い切ってから、私の驚いた顔を見て我に返ったらしい。
ラディスはバツが悪そうに手で顔を覆った。
「……すまない。ただの醜い嫉妬だ」
その顔が赤く染まっていて、こちらの顔までじわじわと熱くなってくる。
「だから、頼む。あいつにはこれまで通り黙っていて欲しい」
「……わかった」
こくりと頷いていた。



