「もし今後も体調のすぐれぬ者、言動のおかしな仲間を見つけた者はすぐに知らせるように」
ラディスはキアノス副長と共に寄宿舎の中庭に集まった皆にそう伝えたそうだ。
……私はその場面は見ていない。
情けないことに最後13人目の解呪に成功した直後気が抜け、私はその場で意識を失ったらしい。
そして。
次に気が付いたとき私はベッドの上にいた。
いつもとは違う天井を見上げながら、まだぼーっとする頭に疑問符を浮かべていると。
「目が覚めたか?」
――?
間近で聞こえた声の方にゆっくりと首を回すと、すぐそこにラディスの顔があった。
「……ラディス?」
相変わらず整った顔してんなぁと思いながらその名を口にすると、大きな手が私の頭を撫でた。
「良かった。気分はどうだ?」
「……」
頬を優しく撫ぜられ、徐々に私は今自分の置かれた状況を把握していき、それからガバっと起き上がった。
「――なっ、なんで一緒に寝てんだよ!?」
そう寝起きの酷い声で叫んだ。



