「これでわかっただろう」
ラディスがなんだか得意げに言う。
「トーラは彼女、藤花の変身した姿だ」
すると、キアノス副長はもう一度私の方を見て確認するように訊いた。
「えっと、女性の方の……藤花が本当の姿ってことでいいのかな」
「はい、そうです。騎士になりたくて男の姿でここに入りました。本当にすみません!」
トーラの姿で改めて頭を下げる。
「俺が知っていて許可した」
「――で、でも、変身って。そんなことが出来るなんて」
「聖女の力だ」
ラディスの言葉に、流石のキアノス副長も目を見張った。
「聖女って、」
ぽん、とラディスは私の肩に手を置いた。
「彼女が、本物の聖女だ」



