「あのときはそう思ったけどさ、でも夜に自室に呼び出しって流石に意味深過ぎないか?」
「意味深? ……って、はぁ!?」

 その意味に気づいて思わず声がひっくり返ってしまった。

「いや、だって、オレ男だぞ!?」

 スプーンを置いて自分を指差す。
 そうだ、今私はトーラで、見た目は完全に男なのだ。
 あいつも男で、だからそんなことあるわけない。
 するとイリアスは私の顔を指差した。

「でもお前童顔だし、ありえなくないだろ」
「ど、童顔!?」

 そんなの初めて言われた。
 そういえば日本人は外国人から幼く見られると聞いたことがあるけれど、この異世界でもそうなのだろうか。

「いや、でも、だからって……」

 私が困惑していると、イリアスが急に優しい微笑みを浮かべた。

「頑張れよ、トーラ」
「何をだよ!」

 思わず強く突っ込んでいた。