「なに、を……んっ」

 優しく頭を撫でられたかと思うと、そのままキスが降ってきた。
 この間の啄むような軽いキスではない。噛みつくような荒々しいキスに驚く。
 恥ずかしいなんて気持ちより戸惑いと不安の方が大きくて、解放された方の手でその身体を押しやろうとするがびくともしない。

「んぅ……っ!?」 

 ぬるりと唇の間から熱い舌が差し込まれてびくりと身体が震えた。
 こちらの舌を絡めとるようなその動きにぞわぞわとした感覚が全身を這う。
 うまく息がつけなくて、飲み込めなかった唾液が口の端を伝った。
 キスが、こんなに苦しいものだなんて知らなかった。

「……はっ、」

 やっと唇が離れたときには身体にうまく力が入らなくなっていた。

「あっ」

 首筋に降りてきたキスに自分のものではないような高い声が漏れる。
 無性に恥ずかしくなって、でもそこでいつの間にか胸元の紐が解かれていることに気付いた。
 ラディスが何をしようとしているかわかってしまって、私は青くなった。