そんな私に痺れを切らしたのか、ラディスは小さく息を吐いた。
「……あの男、ザフィーリと言ったか?」
私はコクリと頷く。
「確か、先日騎士になったばかりだったな」
「……そ、そう」
「残念だが、騎士の称号は剥奪だな」
「! ま、待ってくれ!」
顔を上げ、必死な声を上げていた。
それは、いくらなんでも酷すぎる。
そんな私の反応を見て、ラディスの目がスッと冷たくなった。
「お前とあの男との関係は?」
「友人だ」
はっきりと答える。
さっきザフィーリもそう言ってくれていたから間違いない。
「それはトーラのか、藤花のか」
「と……トーラの」
「では、お前……藤花との関係は?」
「そ、それは」
「なぜあいつがお前のことを知っている。なぜ花束など贈られていた? そもそも、お前はなぜ今都にいるんだ」
どんどん語気が強くなっていくのを感じて、私は慌てて両手を前に出した。
「わかった! ……最初からちゃんと説明するから」



