華が散るまで

朝。スマホのアラームが鳴り響く中、ベットでうだうだしてたら昨日のことを思い出した。

…ぁあ。そういえば昨日親父に呼び出しされてたっけ。
"れいちゃーん急でごめんねー!明日本邸来てくれない?お話があってー!!"とかなんとかって電話きてたな。

「はぁ、支度するかぁ」

トボトボと洗面所を目指して歩き軽くメイクをしてTシャツとデニムの短パンを履き部下に車を出してもらうようにスマホのメールで頼む。


私は一人前になるために今はマンションで一人暮らしをしている。まぁ一人前というかただ私が1人になりたいだけだけど。

1人の時間って大事だよねー。

どれだけ友達や家族、恋人が好きでも1人になりたい時は誰しもある。でも人間は1人は好きでも独りという孤独は好きじゃない。なぜかは分からないだけど私もそのうちの1人だ。


靴を履いて外に出ると黒塗りでスモークガラスがかかってる車が1台。


「萩原、本邸へ」

「御意」


萩原っていうのは私専属の運転手。
運転技術は黒崎家の中でも随一。
歳は…いくつだっけ24?25ぐらい、若そうな見た目してる