サヨナラじゃない

「2人ともさー、なんか隠してるだろ」
ギクッ!
「ぼ、僕もそう思う、です…!!」
ギクギクッ!
薄々思ってたけど、やっぱりこの2人勘がいい!?
「そ、そんなことなかよ…??」
「嘘つくんじゃないぞ!」
「嘘つかないでです!!」
くっ、騙されなかったか。
3人でぐぬぬっと睨み合いっ子をしていると、
「おまたせー」
エプロン姿のアラレが登場した。
アラレ…!
ポーカーフェイスの上手い味方の登場に喜んだ私だったが、事態は窮地に転ずる。
「なーアラレー。アラレと千影ちゃんって隠し事、してないよね??」
スッと目を逸らすアラレが見えた。
あ、アラレ…?
「そっ、ソンナコトナイヨ…」
カタコト。
私以上に隠し事が苦手になっている。
「……わかった、伝える」
もう無理だと諦めた。
意を決して、重い口を開いた。