サヨナラじゃない

「石川って雨坂さんと知り合いだったか?」
「おう!幼馴染だ」
気づけば電話がピルルルルとなっている。
「あーあー、そちらに神奈木さんはいるでしょーかー?」
声がすっげぇ棒読み。
てか、なんで千影がいるって思って…
『わ、私です…か?』
いたー!千影いたー!
こわごわとした声色の千影。
「おっ、いるいるー!」
愉しそうに石川は話し出す。
「明日はぜってぇ、家に帰ってやれよ!んじゃ」

ブチッ

「お前切るのはやすぎ」
てか、なんで家に帰ってやれって言ったんだ…?
「なんで家に帰ってやれって言ったかって?」
俺の考えを見透かしたようにいう。
「答えは簡単だ。」
むっとした顔になり、石川は言う。
「お前が一向に話し合おうとしないからだよ!」
「…はいッ??」
「お前は説明なしに千影ちゃんの元から姿を消した。そうだろう?」
な、なんでバレて…
「明日は2人とも休め、先生にはうまいこと小桜といって置くからさ」
「だ、だがなぁ」
ぐっと行き成り顔を近づけて、石川はいう。
「お前は休憩が必要だ。このままだと霰石、」
顔を曇らせる石川。
「お前らはもう、元の仲に戻るのが難しくなるぞ…?」
……は?