サヨナラじゃない

【Tikage】
あっという間に時間が過ぎた。
気を使ってくれたのか、アラレとの話を雨坂ちゃんはしない。
ご飯はカレー。
誰でも食べられる家庭の味で、美味しかったなぁ。
優しくて、雨坂ちゃんのお母さんの愛を感じた。

◇◆◇

UNOやトランプ、オセロなど。
雨坂ちゃんの部屋にはカードゲームやボードゲームが豊富。
2人で、カードゲームやボードゲームだが、大体遊び尽くしてしまったし、飽きてしまった。
「飽きたー」
「飽きたですぅ、」
暫くだんまり状態に。
……雨坂ちゃんになら、話せる…かな？
「あっ、あの！雨坂ちゃ…」

プルルルル

はぁ、まじタイミング終わってる。
「ん？石川くんでしょうか？」
石川？どっかで聞いたような…
『あーあー、そちらに神奈木さんはいるでしょーかー？』
え、私？
「わ、私です…か？」
『おっ、いるいるー！』
恐る恐る声を出すと、声色を温かくする相手。
『明日はぜってぇ、家に帰ってやれよ！んじゃ』

ブチッ

一方的に切られた。
ツーツーツーと、電話から音が鳴っている。
結構自由奔放だな、相手は。

『明日はぜってぇ、家に帰ってやれよ！』

相手の言葉が頭の中に浮かんだ。
…はぁ。仕方ないや。
アラレ、可哀想だし帰ってやるかぁ。