サヨナラじゃない

「そういえば、神奈木」
「はい?」
「お前は狐乃の従兄妹なんだってな」
「……はい。そうですよ?」
あっぶな。
狐乃って、多分アラレの名字だよね!?
…不審に思われてないかな?
「そうかそうかー。じゃあ席はアラレの隣でー」
「無理です」
あんな顔面偏差値おばけといたら、私との顔面偏差値の違いで扱いがぁ…!!
考えるだけで体が震えてくる。
「あ、雨坂ちゃ…雨坂さんとがいいです!」
思い切って自分の思いをぶつける。
彼女も顔面偏差値は高いが、彼女は女の子だ。
男に思いを寄せる女が1番めんどくさい。
女に思いを寄せる男の方がマシである。
「お、雨坂と友達だったかぁ…!」
「そうか、雨坂に友達が…」
うんうんと、1人で頷いている先生。
正直な話し。変な先生だと思う。
「お、ついたぞ。ここが教室だ」
2-Aというクラスだ。