ははっ! ……今になって恐れてなってきたのか。小刻みに震える指先に、剣を落とさぬよう力を込める。カチャカチャと音を立てるただ一つの武器を睨みつける。
私は君で人を殺すのか?父が残した君で。
「誰?」
「誰?、か。そんなもの聞かなくてもわかるだろ? 久しいなぁ、日高」
やはり異母弟は馬鹿である。なぜ一人でここまで来ようと思えたのか。まともな頭があるのならば兵を引き連れてきた方がいいに決まっている。馬鹿とは言え誰か止めようとしなかったのか……。
誰も止めてくれなかったのだな。
哀れなこの人は自分が味方だと思っていた人たちからも見放されているのだ。

