日本—ヤマト—の女帝




——やはりか。
こんなこと思いたくなかったが、正直こうなるのだろうとは思っていた。

「それは本当なの?」

「証人もおります。川津の宮の采女、内舎人、そして小田皇女—おたのひめみこ—様から……」

——小田が?

にわかに信じがたい。小田は私の異母妹で川津の正妃だ。

川津同様私を嫌っていたはずだ……。

「大壁、私は何も聞かなかったことにするわ。貴方はもしもの時に備えて兵を集めておいてくれる?」

「天皇様がおっしゃるのであれば……。しかし何故……?」

「私にも考えくらいあるわよ」

静かに頷いた大壁は部屋を出ようとしていた。

「大壁、高千を大切にしてあげてね。あの子嫉妬深いから機嫌をそこねたら大変よ。あまり他の妻たちにうつつを抜かさないように」

「わかりきっていますよ、そのくらい。天皇様に心配されずとも先月七人目を授かったようです」

「まあ!おめでとう。体を大切にと伝えておいてね」