今ならば、私ならば、この遊び方を楽しむことが出来るわ……と。
お父様は領地の見回り。お母様は社交の事情で未だ王都。お姉様たちは婚約者の元。私はこの館に一人。
グレンはまだ若い執事で、三つほど年上なだけ。見たところ真面目で融通は利かず頭は固いけれど、他の二人よりも、こういう遊びに乗って来てくれそうだ。
ええ。鉄は熱いうちに打つべきだわ。やりたいことは、すぐにやるべきだもの。
「……あの、お嬢様。具体的に遊び方を説明してくださいますか? 僕には初耳の遊び方でして」
戸惑っているグレンはそう言い、私はそれもそうねと大きく頷いた。
「少しだけ、待ってくれる?」
私は机の上に置いていた友人キャサリンの手紙を開き、それを読み上げることにした。
「私たちの関係性を、交換するの。そうね。私が執事だとおかしいから、私はメイド……グレンは貴族のお坊ちゃまということにしましょう」
「アデライザお嬢様が、メイド……僕が貴族……?」
驚き過ぎて、目を白黒させたグレン。私はそんな彼を見て、楽しくなって頷いた。
これまでに慌てた様子なんて見せなかったから、なんだか新鮮だわ。
お父様は領地の見回り。お母様は社交の事情で未だ王都。お姉様たちは婚約者の元。私はこの館に一人。
グレンはまだ若い執事で、三つほど年上なだけ。見たところ真面目で融通は利かず頭は固いけれど、他の二人よりも、こういう遊びに乗って来てくれそうだ。
ええ。鉄は熱いうちに打つべきだわ。やりたいことは、すぐにやるべきだもの。
「……あの、お嬢様。具体的に遊び方を説明してくださいますか? 僕には初耳の遊び方でして」
戸惑っているグレンはそう言い、私はそれもそうねと大きく頷いた。
「少しだけ、待ってくれる?」
私は机の上に置いていた友人キャサリンの手紙を開き、それを読み上げることにした。
「私たちの関係性を、交換するの。そうね。私が執事だとおかしいから、私はメイド……グレンは貴族のお坊ちゃまということにしましょう」
「アデライザお嬢様が、メイド……僕が貴族……?」
驚き過ぎて、目を白黒させたグレン。私はそんな彼を見て、楽しくなって頷いた。
これまでに慌てた様子なんて見せなかったから、なんだか新鮮だわ。



