そういえば、グレンも第三王子と同じ名前だわ。王族が生まれた年に生まれた子は、彼らにあやかって同じ名前を付けることが多いから、グレンもきっとそういう流れで付けられたのだろう。
「……ああ。第三王子グレンなんだが、辺境伯などはとても務まらず、城で文官として働きたい息子二人がいる家と、縁談が持ち上がっているらしいな」
「あら……そうなのですか?」
私は驚いた。実は我がジョプリング辺境伯家も、頭脳派な兄二人は文官としてかなり出世していて、どちらかというと敵国を相手に国を守らねばならない軍人としての辺境伯には向いていない。
だから、兄たちの息子がある程度成長するまで父が辺境伯として頑張るしかないのかもしれないと、私は思っていたのだ。
「娘二人は既に婚約し、残るはデビュー前の三番目の末娘だが……辺境伯もおてんばで手を焼いているらしく、顔合わせ予定のお茶会にも、どこかへ遊びに行って出て来なかったとか……」
……その辺りから、私は『何かおかしい』と思い始めた。
待って……これって、我がジョプリング辺境伯家のことではない? グレンのこれまでの話を思い出せば、そうよ。
「……ああ。第三王子グレンなんだが、辺境伯などはとても務まらず、城で文官として働きたい息子二人がいる家と、縁談が持ち上がっているらしいな」
「あら……そうなのですか?」
私は驚いた。実は我がジョプリング辺境伯家も、頭脳派な兄二人は文官としてかなり出世していて、どちらかというと敵国を相手に国を守らねばならない軍人としての辺境伯には向いていない。
だから、兄たちの息子がある程度成長するまで父が辺境伯として頑張るしかないのかもしれないと、私は思っていたのだ。
「娘二人は既に婚約し、残るはデビュー前の三番目の末娘だが……辺境伯もおてんばで手を焼いているらしく、顔合わせ予定のお茶会にも、どこかへ遊びに行って出て来なかったとか……」
……その辺りから、私は『何かおかしい』と思い始めた。
待って……これって、我がジョプリング辺境伯家のことではない? グレンのこれまでの話を思い出せば、そうよ。



