「なにかたのしいことないかなあ」
 学校にむかうとちゅう、ぐみは空をみあげてつぶやきました。
 青い空を見あげると白い雲がぷかぷかうかんでいます。
「あの雲がわたあめになって食べられたらいいのに」
 ぐみがそうつぶやいた時でした。
「そのアイデアいただきーっ☆」
 ぐみの目の前にとつぜんしらない女の子があらわれたのです!
 大きな黒いリボンをつけたツインテールで、前がみには紫のメッシュ。とってもかわいい女の子!
 で、でも。だれ……!?
「ねえ、今のアイデアもらってもいいかな?」
 女の子は目をきらきらさせて、ぐみに聞きます。
 ぐみがうなずくと、女の子は空に指をむけて不思議な呪文をとなえました。
「りり、ぷぷーいっと! ぷかぷか雲ちゃん、わたあめになあれ!」
 すると、雲がふわりふわりと女の子のもとまでおりてきました。
 雲はピンク色になっていて、わたあめになっています!
「おいしいよ、食べてみて」
 ぐみが一口かじると、
「つ、つめたあっ!」
 わたあめはきーんと冷たくて、しゅわしゅわと口のなかでとけていきました。
「ふふっ! いたずら大成功! わたあめ風シャーベットだよっ!」
 女の子はにっこり笑いました。ぐみはまだびっくりしています。
「私の名前はリップ。あなたは?」
「私はぐみ。かわいいものがだいすきだよ!」
「よろしくね! 私はいたずらワゴンの魔女なんだ」
 ぼふんっ! そこに現れたのは紫色と黒色のワゴン。
 色とりどりのかわいいアイテムが置いてあります。アクセサリーから文房具まで、いろんなものが並べてありました。
「うわぁ~すごい! かわいい!」
「つまんないをかわいいにかえるのが、私のしごと!」
「つまんないをかわいいにかえる?」
「そう! 世界をぜーんぶかわいくてたのしいにかえるんだ!」
 リップはワゴンにかけられていたにじ色の傘を、ぐみにわたしました。
「これ使ってみて」
 ぐみが傘を広げてみると……
 なんと雨ではなく、キャンディーがふってきました!
 あめあめキャンディー傘!
「すごいっ! 雨の日が楽しくなっちゃうね!」
「でしょ! 次はこれをはいてみて」
 そこにあったのは、かわいい水色のくつ。ぴょん・びよーんスニーカー!
 ぐみがはいてみると……ぴょーん!
 なんとスニーカーには大きなバネがついていて、ぐみのからだふたつぶんはあるワゴンの屋根までジャンプしてしまったのです!
「でもこれはひとつ問題があるの。勝手にぴょーんと逃げちゃうの」
 スニーカーのかたわれが逃げてしまったみたい。
「探すのをてつだうよ!」
 ☆クイズ:スニーカーのかたわれを探してね!
 スニーカーのとくちょう 水色だよ。ユニコーンのワッペンがついているよ。ピンク色のバネがついているよ。
 ふたりはにげ出したスニーカーをつかまえました。
「ぐみはかわいいに変えたいもの、ない?」
「私、学校がもっとかわいくなったらいいのにって思うんだ!」
「いいね、一緒に学校をかわいくしちゃお!」
 ぐみとリップは、学校かわいいだいさくせんをかいしすることにしました!