「あ、でもでも~俺についたキャバ嬢の女の子が面白いこと言ってて」
キャバクラ遊びは止めるって言ったばかりじゃないか。と私は心の中でツッこむも
『面白い話』と言うのが気になった。
弓削くんは自慢げに
「一番奥の席に、夜中店を閉めた後出るらしいんですよ」
「「出る??」」私と塩原は顔を見合わせた。
何が??
「幽霊っすよ!幽霊!何でもそこで自殺した子がいるとかいないとか」
幽霊―――と言うところでドキリと胸が強く打った。
塩原の箸も止まる。
「でもあくまで噂だろ?そもそも閉店後に誰が目撃するっつんだよ」と塩原がブスりと答える。
「店の戸締りを確認に来たボーイとか、忘れ物を取りに来たキャバ嬢とか、見たって!」
「お前、そんなの信じるの?そもそもその手の話を面白がって話すのは不謹慎すぎる」塩原は再びから揚げを乱暴に頬張り
「えー、不謹慎ですか?誰だって興味ありません?幽霊とか。あ、それとも塩原先輩はそうゆうの苦手?」
「んなわけねーよ」と塩原は不機嫌を隠そうともせず、唐揚げをペットボトルのお茶で流し込む。
でも私は別のことが気になっていた。
弓削くんの話を散々聞いてたのに。
何で今まで気付かなかったんだろう。
―――お盆が近づいてるってことに。
葵さんは、一年に一日だけ魂が戻って来られるその日に一臣さんと会えると信じているのだろうか。
「まぁま、二人とも。幽霊がいるかどうかなんて誰も分からないよ。ただの見間違いかもしれないし」と何故か私が二人を取り無し、その場は険悪な雰囲気にもならずことなきを終えた。
この日は前日と言うことで特に帰りが遅くなった。
終バスは2:15
殆どギリギリだ。



