だから、そんな提案をされても断る理由なんてどこにもなかった。 むしろ抑えられないほどの喜びを感じる程で。もちろん、二つ返事でOKした。 「 うん、いいよ。」 それが、中学3年生の夏。 おれにとっての棗が「仲良くしたい子」から、「好きな子」に変わった夏。 居眠りしていた棗に、キスをした夏。 一番大事な親友に、あってはならない情欲を抱いてしまった夏だ。