……数回バレて、不良みたい、と嗤われた記憶しかない。どれも悪い記憶ばっかりだ。
そのせいで、棗にピアスのことを知られてしまったときは、またかと思ったくらいだった。
それまではただの隣の家の子というだけの存在で、特に関心もなかったから、嫌われても気持ち悪がられてもどうでもよかった。
でも、棗は微笑んだんだ。
「 それ、かっこいいね。」って。
成長した今となっては、ピアスを気持ち悪いという人なんてずいぶん少数だと知ったけれど。当時は何も知らなくて、素直に気持ち悪いものなんだと思っていたから、救われた気がした。
好きなものを認めてもらえて、嬉しかった。心地よかった。
そのときから棗は、「隣の家の子」から、「仲良くしたい子」になった。
春も夏も秋も冬も、ずうっと一緒に過ごした。
仲の悪い離婚寸前の両親と時間を共にするよりよっぽど有意義だと思ったし、楽しかった。ありのままをさらけ出せた。
「 ねえ、梓?梓がはじめてピアス開けるとき、僕があけてもいい?」
そのせいで、棗にピアスのことを知られてしまったときは、またかと思ったくらいだった。
それまではただの隣の家の子というだけの存在で、特に関心もなかったから、嫌われても気持ち悪がられてもどうでもよかった。
でも、棗は微笑んだんだ。
「 それ、かっこいいね。」って。
成長した今となっては、ピアスを気持ち悪いという人なんてずいぶん少数だと知ったけれど。当時は何も知らなくて、素直に気持ち悪いものなんだと思っていたから、救われた気がした。
好きなものを認めてもらえて、嬉しかった。心地よかった。
そのときから棗は、「隣の家の子」から、「仲良くしたい子」になった。
春も夏も秋も冬も、ずうっと一緒に過ごした。
仲の悪い離婚寸前の両親と時間を共にするよりよっぽど有意義だと思ったし、楽しかった。ありのままをさらけ出せた。
「 ねえ、梓?梓がはじめてピアス開けるとき、僕があけてもいい?」
