「 ……ごめん、俺、好きな人が居て。」
そう言った瞬間、棗の顔と、なぜか天海さんの顔が浮かんだ。
心苦しいけれど、これで告白は終わり。
___に、普段はなるはずなのだけど、彼女は、俺の想像を超えてくる人物だったみたいで。
「 …っ、それでもいい…!」
「 ………え、」
「 いい、の…好きな人がいることは分かってた…でも、葛生くん、いつも苦しそう!好きな人のそんな姿、ほっとけるわけない……だから、少しの間でいいから、わたしと付き合って…!わたしなら、あなたを愛してあげられるのに… 」
クラスで目に入るときは、いつも花のように笑っている彼女が、その大きい瞳に涙をいっぱい溜めている。その姿は…まるで、俺の未来を見ているようで、心臓が大きく傷んだ。
