椎葉 棗に呪われたい


そんな俺に、目の前の男はにやりと口角をあげて「ははーん、あったりぃ」と笑った。



「 あんだけ幼馴染ちゃんの話されたら、ねぇ…?」


「 は、いうほどだろ…ていうか、女じゃないし。」


「 …男?」


「 ……そうだけど。あと、本当にそういう意味で好きなんじゃないから。」


「 ふーん…?で、おまえ、結局どっちなの。」


「 どっちって、」


「 のーまるか、ゲイかってこと。あ、それともどっちも?」



今まで何度も好きじゃないと言っているのに、朝っぱらからニコニコでこんな話をしてくるのだ。

俺が何も言えず黙っていると、彼はさらに話を続ける。



「 だってアズさぁ、いつも茶髪かつ色白の人めーっちゃ見てるんだもん。性別問わず、ね。そんなん気になるじゃん?あ、幼馴染がそーいう容姿とか?ありえるよねぇ。」