それもまた夢見心地だった脳に現実を見させられているようで嫌いだった。




「 え、ほんと!?梓が好きになる人なんて気になるな、今度会わせてよ。」



「 気が向いたら。」



「 えー?約束だよ。」




うん。そんな簡単な言葉さえも口に出さず、代わりに口の端をあげた。きっと棗は気づいていないだろう。俺の気持ちに。声に。



…いや、一生気づかないで。

そうすれば俺は、おまえの一番の親友として、永遠に隣に居れるから。