俺の言葉に「 そう。」と微笑んだ天海さんは、頬から手を離し、部屋に設備されている冷蔵庫の方へと向かった。中から何かとりだそうとしているらしい。
「 梓。目ぇ閉じて。」
グラスを持った彼を前に、指示通りに目を閉じる。
すると、コポコポと液体を注ぐ音が聞こえ___唇があわさった。
ぬる、と舌が侵入し、咥内を蹂躙される。舌と舌が絡まりあう。同時に、味も分からない液体が流し込まれ、視界がぼやけた。
「 …、あまみさ、」
「 ほら、飲み込もうね。」
その言葉と共に背をツツー…と撫でられ、ついその謎の液体を体に入れてしまった。
口端から上擦った声が漏れる。ああ…恥ずかしい。「 なんですか…これ。」と顔をしかめて言えば、ひみつ、と笑われてしまう。ほんとうに、なんなんだろう。変なかんじが、する。
そう思った瞬間。
全身を、血液がかけめぐるような、不思議な感覚が襲う。
正常だったはずの呼吸が熱く乱れ、心臓がバクバクと主張していた。
