椎葉 棗に呪われたい








「 梓、顔をあげて。」


もうどうにでもなれ、とコンクリートに目を落としていた俺。
それほど時間はかからず、天海さんから声がかかる。



「 ……どこですか、ここ。」


「 おれたちの、プライベートホテル?的な!全部屋防音だからねー、超便利!」




ぷらいべーとほてる。全部屋防音。

聞きなれない単語に、耳がピク、と動く。
そして、瞬時に3人がこれから何をしようとしているかを理解した。


……ふーん…


やっぱりそういうこと、と口端から乾いた笑いが漏れた。
そんな俺を見つめている3人に向かって笑いかける。