椎葉 棗に呪われたい


「 …チャラ男。」



「 おかしいだろ千里だけ~~~~……… 」



そしてやっぱり俺を助けた男は李緒(りお)というらしい。
女みたいな名前だとも思ったけれど言葉にするのはやめておく。
…この空間に、女という単語はいらない気がした。



「 あれ?イズミさんソフトドリンク飲んでるんスか?」


「 そりゃあ、まだ高校生だから。結局オレンジジュースが一番美味しいし。」


「 …え、イズミさん…高校生…? 」


「 そうですけど。なんか変なことでもありましたかね。」


「 すみませんないです。」



それを聞くあんたはどうなんだと聞きたかったけれど、やめておく。
どうせ今日限りの出会いだ、そこまで詮索する必要はない。