ミルクティーの髪の男に背後から声をかけた。
半年と少ししか経っていないのに、背が伸びた気がする。
「 ああ、梓。久しぶり!」
「 ん。」
振り返って見えた甘い造形に、胸が焼かれるような痛みが走る。
半年しか経っていないのだからそうだろうけど、愛おしい棗は棗のままで何も変わっていなくて、いっそ別人になっていたらいいのにと思った。
「 久々に、僕ん家いってゲームしない?」
「 ふ、俺も丁度ゲームしたかった。」
「 …そういえばさ。」
家に向かうコンクリートの地面に目をやりながら、棗は話しかけてくる。
その横顔を横目でチラッと見て、やめた。これ以上愛おしく思えばもっとずっと辛いことが分かっていたから。
「 梓、今彼女いるでしょ!前会ったときよりカッコよくなってる気がするなあ。」
