第四幕:裏切りの真相

「レイ」

放課後、誰もいない音楽室で、ハルは静かに口を開いた。

「……実は、ユウトとユリのこと。俺、知ってた」

「……なに?」

「放課後、二人が一緒に帰ってるのを何度か見た。でも……言えなかった。君が、傷つくってわかってたから」

「ふざけんなよ……。見てたなら止めろよ。なんで黙ってたんだよ……!」

レイは怒りのままに、もう一度、ハルにビンタをした。
さっきよりずっと強く。けれど、その手は震えていた。

「……じゃあ、あたしがバカみたいに笑ってんの、見てたんだ。何も知らないで……好きなフリして……!」

「……君が泣かないようにって、勝手に思い込んでた。ごめん」