心理カウンセラーと傾国美男(イケメン)と社内公募婚~導きたいのに私が甘く導かれてます~

「一輪挿しの花、マリーゴールドは嫉妬、絶望、悲嘆ですね」

霧島さんはそう言って一輪挿しごと持ち去ってしまった。

「本当にありがとう」

「すまない。俺が送れたら良かったけど霧島に自宅まで送らせる」

仕事も残ってるはずなのにここまでしてくれて感謝しかない。
彼が戻って来なかったら私は今どうなってたか。

「迎えを呼ぶから」

「それは大丈夫よ~!ハルは気にせず仕事に行きなさい」

「「るる姉⁈それに凛さん⁈」」

「私が呼びました。この人以上の適役は居ないかと」

珍しく霧島さんの言葉に黙った陽翔は私の手を取った。

「千湖、これ俺の居ない間のお守り」

左手薬指に真新しい婚約指輪。
豪華すぎる物を好まない私の気持ちを考慮してくれたらしい小ぶりなダイヤとパールが付いてる。

「ありがとう…」
「ハルは本当に出来た男ねー!」
「凛さん?」

凄く不機嫌になった凛さん。
そして青くなった霧島さん。

「新山先生、ご相談が…」

霧島さんのすがるような目に頭の中の相談者リストにインプットした。



「カウンセラーと言うより家庭円満の相談ですよね…これ」

私を迎えに来てくれたるる姉と凛さん。
そして霧島さん。
るる姉のお店に集合して霧島さんの相談に乗ることに。

霧島さんの相談内容は…

「凛さん、家に帰りなよ…。霧島さん泣きそうだって‼」

るる姉のお店で凛さんと霧島さんとの間に挟まれて困ってる。

「本当にすまなかった」
「凛さん、ワガママな陽翔が一番悪いんだから!お願い」