心理カウンセラーと傾国美男(イケメン)と社内公募婚~導きたいのに私が甘く導かれてます~

クスッと笑い指先で私の唇をそっと押さえた。
深紅の口紅が彼の指先にうつってる。

「それからはせんこ先生の名刺の携帯番号が新山先生と同じだし」

さっきの携帯は確信を付いてたってこと。
何もかもバレバレで穴があったら入りたい!

「社内公募は⁈あれもまさか…」

「あれは本当に偶然。書類にサインを見つけた時は驚いたけどね」

「あれは酔っぱらって…。だから破棄で良いです」

彼に繋がれた手に力が入ったのが分かる。
あんな自分で覚えてない物は無効でしかない。

でも、

「次、募集があれば…自分の意志でサインしますね」

ふふっと笑うと彼は苦笑いを浮かべて「勘弁して」と見つめてくる。
傾国のイケメンの困った顏は貴重かも知れない。
これはこれで可愛い!

「じゃあ他の女性に目が行かないように予約だけしとこうかな」

私は彼の左手薬指に触れるだけのキスを落としてみた。
「えっ?」と驚いた表情を見せた彼は綺麗な指が私のあごを捉える。

「さっきの先生の言葉を借りれば…」

「先生を中心に俺が周るのは…悪くない」そう言って私の唇に優しいキスをおとした。





「ちょっと…待つんじゃ」
「待つとは言ってない」
「部屋だって」
「空いてたし。この間も我慢したんだから」