「なんすか? 部長への態度を叱るつもりです?」
「叱るを通り越して心配。部長に思う事があるのは同じだけど節度を持たないと駄目よ。ここぞの場面で足をすくわれる」
廊下を歩きながら会話。すれ違う別部署のスタッフがこの凸凹コンビを観察する。
西山君は歩幅を合わせ、屈むようにして私の話を熱心に聞く。
「それと」
「部長が言及したトラブルにつきましては解決済です!」
「そんなに内容を知られたくない? 私は主任としてケアレスミスであろうと把握しておきたい。再発防止策を講じるのが大事」
「あー、はい」
額を掻き、言いにくそうな顔をする。
「西山君」
「……告られたんです」
「は?」
「得意先の担当の女性に交際を申し込まれました。個人的なお付き合いは出来ないと断りましたが、納得がいかなかったらしくて」
「らしくて?」
「女性は上司へ俺からセクハラを受けていたと虚偽を報告しました」
歩みを止めた。
「それって」
「俺は何もしてません! 信じて下さい〜」
彼はコミカルに私の周りを回る。
「叱るを通り越して心配。部長に思う事があるのは同じだけど節度を持たないと駄目よ。ここぞの場面で足をすくわれる」
廊下を歩きながら会話。すれ違う別部署のスタッフがこの凸凹コンビを観察する。
西山君は歩幅を合わせ、屈むようにして私の話を熱心に聞く。
「それと」
「部長が言及したトラブルにつきましては解決済です!」
「そんなに内容を知られたくない? 私は主任としてケアレスミスであろうと把握しておきたい。再発防止策を講じるのが大事」
「あー、はい」
額を掻き、言いにくそうな顔をする。
「西山君」
「……告られたんです」
「は?」
「得意先の担当の女性に交際を申し込まれました。個人的なお付き合いは出来ないと断りましたが、納得がいかなかったらしくて」
「らしくて?」
「女性は上司へ俺からセクハラを受けていたと虚偽を報告しました」
歩みを止めた。
「それって」
「俺は何もしてません! 信じて下さい〜」
彼はコミカルに私の周りを回る。

