シンデレラカンパニー営業部。社内の花形と呼ばれる第一線を預かるのが私ーー吉野美由紀(よしの みゆき)
主任の責を賜わまっているものの、ご覧の通りチームワークを乱す存在でもある。
「営業畑を知らない素人」
「異例のスピード出世」
「女性の社会進出パフォーマンス」
私の昇進に対してネガティブな意見を並び立てればどれも的は射ており、残念ながら反論の余地はない。とはいえ立場を拝命した以上、早急に成果を上げて周囲を黙らせるのみ。その為にも今回のプロジェクトは絶対成功させなければならないのだ。
(よし、やるぞ!)
洗いざらしの髪を飾り気のないヘアゴムで結い、作業に取り掛かる。
「女を捨てて出世を選んだ」
「仕事しかない」
「何年も恋愛してなさそう」
主任としての評価にはいつだって女性としての価値がセット。仕事とオシャレとプライベートを充実させてこそ理想の上司らしい。
(はぁ、こちとら父親が倒れて、それどころじゃないってば)
あからさまなヒソヒソ話にデリートキーを押し続けるネイルは剥げていた。
主任の責を賜わまっているものの、ご覧の通りチームワークを乱す存在でもある。
「営業畑を知らない素人」
「異例のスピード出世」
「女性の社会進出パフォーマンス」
私の昇進に対してネガティブな意見を並び立てればどれも的は射ており、残念ながら反論の余地はない。とはいえ立場を拝命した以上、早急に成果を上げて周囲を黙らせるのみ。その為にも今回のプロジェクトは絶対成功させなければならないのだ。
(よし、やるぞ!)
洗いざらしの髪を飾り気のないヘアゴムで結い、作業に取り掛かる。
「女を捨てて出世を選んだ」
「仕事しかない」
「何年も恋愛してなさそう」
主任としての評価にはいつだって女性としての価値がセット。仕事とオシャレとプライベートを充実させてこそ理想の上司らしい。
(はぁ、こちとら父親が倒れて、それどころじゃないってば)
あからさまなヒソヒソ話にデリートキーを押し続けるネイルは剥げていた。

