とある国のとある町に住む、探偵をしている黒髪のオールバックに青い瞳の男性――オスカーは、助手のレオとともに町を歩いていた。

「レオ、一体どこまで行く気だ。かれこれ20分は歩いているぞ」

「もうすぐ着きます！俺のオススメのお店なんですよ～。先生に、あそこのナポリタンを食べてもらいたくて！」

オスカーの目の前を歩くレオは、表情が見えなくても分かるくらいには、はしゃぎながら言った。

レオがオスカーと外食をしに行こうと誘い、今に至る。

「ここです！」

オスカーがレオに案内されたのは、小さなレストランだった。迷わずに、レオは中へと入っていく。オスカーも、レオの後に続いて中に入った。

店員に案内され、2人は向き合って座る。席に座ってすぐにレオはメニュー表を開き、テーブルの上に置いた。オスカーは、レオの見ているメニュー表を覗き込む。

「……俺は、やっぱりナポリタンかな～。先生は？」

「……ナポリタンでいい」

食に興味のないオスカーは、適当に答えた。

「やっぱり、そう言うと思いましたよ。飲み物は？」

「……コーヒーで」

その返答を聞いたレオは、店員を呼び注文をする。店員が去っていった時、不意に「オスカー、レオ」と声がかかり、2人は同時に声がした方を見た。