強くなくたって。



家に帰ると、いつもはいないお姉ちゃんが先に帰っていた。


「はやかね。どげんしたと?」


やっぱり博多弁が嫌なのか眉根をギュッと寄せている。


「別になんでもない。」


「なんで、いつも帰ってくるの遅いと?

いつもなんしようと?」


「何してても関係ない。」


「そうっちゃんね。でも、心配しとうと。」


「心配なんて、しなくても何もしてないから。大丈夫です。」


今日のお姉ちゃんはいつもより口数が多い。

チャンスかもしれない。


「お姉ちゃん。春風に関わってたりせんと?」


お姉ちゃんはパッと振り向いた。

わかりやすいけど、私には何を考えているかわからない。


お母さんならわかったのかな。


すごい剣幕で私の前に立つ。


「春風、誰に聞いたと。

危ないって言ったとよ。

何でそげんこと聞くん?!」


怒らせた。

でも、人生で初めてお姉ちゃんが感情を剥き出しにして起こるのを見た。

それもあれだけ嫌だと言っていた博多弁だ。

ちょっと嬉しくて笑ってしまう。