「ヤノ、なにしてんの?」


声が聞こえた瞬間、心臓が跳ねる。


ゆっくりと顔を横に向けると、灰田くんとその友達が紅沢くんの隣に立っていた。

灰田くんは紅沢くんの腕を抱きしめている。

意外と友達にベタベタするタイプなんだな………


「あー桃李。いやさ、お前が断ってたモデルの件なんだけど、オレが引き受けようと思って掛け合ってんだけど断られててさぁ...」


「はぁ、なんでヤノじゃだめなんだよ」


「え、えーっと...」


質問の矛先がこちらに来て、思わず背筋が伸びる。

や、やっぱり、ちょっと怖い雰囲気だなぁ...。