「…姿勢がいいからだよ」 「姿勢?」 「うん。立っているだけなのに、すごく美しくて。 背も高くて、華もあって、こんなにモデル向きの男性はそういないと思ったの」 「ほう」 紅沢くんは腕を組みながら、まるで取材でもしてるかのように頷いた。 「わたし、彼以外にモデルを頼むなんて考えられない。彼にモデルをやってもらえるなら、なんでもする。手段は選ばない」