「え?そうだけど」
「二人とも、かなり若くして結婚したみたいだけど、失恋してヤケクソだったとか?」
何故そういう発想になるのか不思議に思いつつ、
「そんなんじゃないわ。若い頃の私はね⋯⋯自分の意志がなくて、いつも親の言いなりだったから。でも、お父さんはそうじゃない。ちゃんと自分で決めたことだって言ってたわよ」
「ふーん。じゃあ、お父さんの片想いか。可哀想に」
「え!?」
「てかさ、ずっと女子校育ちの場合、女同士で⋯⋯みたいなことって、なかった?」
なんだか、やけに核心に迫ってくる翼。
「私はなかったけど、言われてみれば、綺麗な先輩のことをつい目で追ったり、すれ違ったときに嬉しいと感じたことはあったわね。知ってる?性的指向って、必ずしもずっと同じじゃないってこと。もともと異性にしか興味がなかった人が突然、同性に目覚めることもあれば、その逆もまた然りで⋯⋯」
「二人とも、かなり若くして結婚したみたいだけど、失恋してヤケクソだったとか?」
何故そういう発想になるのか不思議に思いつつ、
「そんなんじゃないわ。若い頃の私はね⋯⋯自分の意志がなくて、いつも親の言いなりだったから。でも、お父さんはそうじゃない。ちゃんと自分で決めたことだって言ってたわよ」
「ふーん。じゃあ、お父さんの片想いか。可哀想に」
「え!?」
「てかさ、ずっと女子校育ちの場合、女同士で⋯⋯みたいなことって、なかった?」
なんだか、やけに核心に迫ってくる翼。
「私はなかったけど、言われてみれば、綺麗な先輩のことをつい目で追ったり、すれ違ったときに嬉しいと感じたことはあったわね。知ってる?性的指向って、必ずしもずっと同じじゃないってこと。もともと異性にしか興味がなかった人が突然、同性に目覚めることもあれば、その逆もまた然りで⋯⋯」



