中学は夏休みの真っ最中とはいえ、週に一度は部活がある。
翼が、お菓子を焼きたいからキッチンを使わせてくれと言い出した。
「学校に持っていくの?怒られるんじゃない?」
何しろ、弁当は殆ど強制なのに、お菓子は禁止の学校である。
「違うよ。今日、大ちゃんと遊ぶ約束してるんだけど、僕の作ったお菓子を食べたいんだって。全く⋯⋯何も僕に作らせなくたって、市販品を買ったほうが美味しいだろうに。無駄なことをさせてくれるよね」
ブツブツ文句を言いつつ、満更でもなさそうな翼。
同じ小学校だった友達の大半は、翼が私立中学に行ってから疎遠になったが、大ちゃんだけは、今でも頻繁に電話がかかってくるし、互いの家を行き来している。
慣れた手つきでお菓子作りを始めた翼は、
「お父さんとお母さん、お見合い結婚なんだよね?」
唐突な質問を投げかけてくる。
翼が、お菓子を焼きたいからキッチンを使わせてくれと言い出した。
「学校に持っていくの?怒られるんじゃない?」
何しろ、弁当は殆ど強制なのに、お菓子は禁止の学校である。
「違うよ。今日、大ちゃんと遊ぶ約束してるんだけど、僕の作ったお菓子を食べたいんだって。全く⋯⋯何も僕に作らせなくたって、市販品を買ったほうが美味しいだろうに。無駄なことをさせてくれるよね」
ブツブツ文句を言いつつ、満更でもなさそうな翼。
同じ小学校だった友達の大半は、翼が私立中学に行ってから疎遠になったが、大ちゃんだけは、今でも頻繁に電話がかかってくるし、互いの家を行き来している。
慣れた手つきでお菓子作りを始めた翼は、
「お父さんとお母さん、お見合い結婚なんだよね?」
唐突な質問を投げかけてくる。



