奥さまが恋に落ちるまで

「どうだろう?特に意識したことがなかったからなぁ⋯⋯。さっきの友人は、共学出身だったはずだし」
 やはり、夫に頼ってばかりいないで、もっと、独自のリサーチをしなければいけなさそうだ。
「ねえ。時々パソコン借りていい?」
「いいよ。何ならスマホ持ったらいいのに」
「ありがとう。でも、パソコンで十分よ」
 そう言ったのは、大して欲しくないだけでなく、翼の学校がスマホ禁止だから可哀想、というのもある。
 翼は、
「スマホ?別にいらないや」
 涼しい顔で言っているものの、ママ友の話では、大抵の家の子供は小学生の頃からスマホが欲しいと言って聞かず、あっさり与えてしまう家もあれば、高校生まではダメだと言って家庭内がゴタゴタしたり、何かと大変そうだ。

 家族の留守中、私は、ゲイの恋愛の実態を探ろうと、ネット検索を試みた。
「今はまだ、関係ないとは思うけれど⋯⋯」