「あなたがゲイだという可能性は、考えたこともなかったわ。えっ⋯⋯そうだったの!?」
「いやいや、違うよ!」
そう言って苦笑いし、
「僕のことじゃないなら⋯⋯翼?」
まさにその通りだが、本人に無断でこのことを言っていいものだろうか。内容が内容なだけに、今回は夫にも相談せずにいようと思ったのに。
話をそらすように、
「ねえ!あなたが10代の頃に持ってたエロ本って、どんなものだった?」
「エロ本!?きみの口からそんなワードが出てくるなんて、長い結婚生活で初めてだね。ああ、さては翼がエロ本を隠し持ってたんだ?」
「う⋯⋯」
「図星かぁ。まあ、そこは見て見ぬふりしてやってよ。あの子も男なんだから」
夫は、相変わらず笑ってばかりで、全く動じることがない。
しかし、もし夫まで、些細なことであたふたするような人だったら、私たちは夫婦として成り立たなかったかもしれないとも思う。
「いやいや、違うよ!」
そう言って苦笑いし、
「僕のことじゃないなら⋯⋯翼?」
まさにその通りだが、本人に無断でこのことを言っていいものだろうか。内容が内容なだけに、今回は夫にも相談せずにいようと思ったのに。
話をそらすように、
「ねえ!あなたが10代の頃に持ってたエロ本って、どんなものだった?」
「エロ本!?きみの口からそんなワードが出てくるなんて、長い結婚生活で初めてだね。ああ、さては翼がエロ本を隠し持ってたんだ?」
「う⋯⋯」
「図星かぁ。まあ、そこは見て見ぬふりしてやってよ。あの子も男なんだから」
夫は、相変わらず笑ってばかりで、全く動じることがない。
しかし、もし夫まで、些細なことであたふたするような人だったら、私たちは夫婦として成り立たなかったかもしれないとも思う。



