【回想】
――小学生の頃。
学校のヒーローごっこで、ユウトはいつも“正義の味方”をやっていた。
ユウト(当時)「悪いヤツは俺がやっつける!泣いてるやつは守る!」
同級生「ユウト、またやってる〜」
先生「給食配りなさい」
ちょっとお調子者。でもまっすぐだった。
そのまま中学になって、ある事件が起きる。
【中2・修学旅行】
当時、ちょっと不穏な噂のあった班メンバーの一人がトラブルに巻き込まれた。
ユウトだけが、それに気づいた。
“何もできなかったら、誰も助けられない”
――それが、ユウトが格闘技を始めた理由。
【現在】
公園のベンチで、コーヒーを飲みながら、ユウトが昔の同級生と再会する。
友人「お前、昔『正義の味方になる』って言ってたよな」
ユウト「……黒歴史やめろ」
友人「でも、今もそれっぽいことしてんじゃね?助けてんだろ、誰か」
ユウト「“依頼”されたからやってるだけ」
友人「ふーん…ま、変わってねぇよ。あの頃から」
【帰り道】
ユウト(変わったと思ってたけど、そうでもないのかな)
ユウト(俺は、正義の味方にはなれてないけど)
ユウト(あの時、助けられなかった誰かの代わりに)
ユウト(今は助けられる誰かを選んでるだけだ)
通りすがりの子どもが転ぶ。
「いたっ…」って泣きそうになったその瞬間、
ユウトがさっと手を差し出す。
「ヒーロー…?」って子どもが聞くと、
「違うよ、フリーター」って苦笑い。


